--- JA9YBV馬場島移動運用記 ---



 10/12(土)馬場島正午着をめざして、Mさんの軽四に乗り換えて(アンテナ、

リグ、その他全部積載)、一路、馬場島登山口へ急ぐ。

これが意外と遠いし、結構、勾配がきつい。山の奥へ奥へ。

早月川の支流に沿ってさらに奥へ林を抜けて、突然ドーンと視界が開け、

正に岩の壁である。

左から早月尾根、三〜一の窓、そして威容を誇る「剣岳」である。車を止めて

デジカメで何枚かシャッターを切る(後で見たら写っていない、失敗である) 

暫く、見とれて真下から見る「剣岳」もいいなぁ〜と。

気を取り直して、ようやく馬場島に着くが、先着のはずの「会長」がいない!? 

バンガローが判らない ! 

その時、無線で会長と連絡が取れ、管理棟でそばを一杯食べて、いざバンガロー

へと鍵を貰いながら、そこのおばさんが

  「 掃除はしてきましたが、少し虫が居ますが、気にしないでぇ〜 」

  「 ん〜ん 何だろう? 」

兎に角、荷を下ろして準備をしなくてはと。

ドア開ける。畳の上をその虫がサーと散る。

  「 シッ シッ 何じゃこりゃ〜 カメ虫だ〜 」

叩いたり潰したりしたら、臭いと聞いたので、シッシッと払いのけるより仕方が

ないようだ。

参ったなぁ〜 会長は後二時間はかかるとの事だし、逆VのDP設備を持って

きたのだが、一人では設営が難しく、私が持ってきたフルサイズ水平DPなら

一人で出来るとロ―プの端に石を結び高い枝を選んで投げるも、これが

なかなか・・・

ようやく設営完了。導軸を窓から引き入れ、リグにつなぐ。さすが7MHZSSB。

スイッチ「ON」。ガンガン各エリヤの変調59。「よ〜し」と納得。

しかし、会長が来るにはまだ一時間はあるし〜

周波数確保の為に個人コ-ルで暫くQSOしていようとマイクを持つ。

これが間違いのもと。

  「 富山、中新川郡上市町/9 」

とたんに

  「 こちらは北九州 59 QSL 」

である。

QRZ、QRZ、後は押して知るべし。パイルの嵐、嵐。

  「 早く、誰か来ないかなぁ〜 」   

今日はコンテストと重なって居る様でQRMがひどい ! 

両脇の抑圧に押しつぶされつつも、沢山の局からのお声がけを戴き、

  「 QRZ、QRZ 」

と頑張る。 ようやく、QSOも一段落、途切れましたので、

  「 QRTします 」

タイミング良く、会長さんも到着。一安心。早速バーベキュウの火起こしから。

これがまたなかなか・・・

  「 原始人はえらかったね〜 」

と、落ち葉拾い、小枝拾い、煙い、涙、涙。”身体の弱い私”ゴホン、ゴホン。

火は赤いに限る。

まず、お湯を沸かしコーヒーを入れる。

  「 うまい ! 」

自分で起こした火での一杯は格別である。

秋の日暮れは早い。もう、あたりは暗くなってきた。 

山々のシルエットがくっきりと写る。いよいよバ-ベキュウの本番である。

  「 この焼く煙さは気にならない 」

とか、勝手なことをいいながら、ビールと焼肉、交互に口に運ぶ。 

そこへTさんも登って来た。今の所、三人だけだから、忙しいこと、忙しいこと。

  「 早く誰か来ないと無くなってしまうよ 」

そこへMさんが来た。一段と忙しくなる。どんどん焼く。呑む、食う、焼く、

呑む、食う、忙しいこと忙しいこと。PM9時、いよいよ夜のQRVスタート。

コンテストもスタートしているので、割り込みも容易では無い。

  「 CQ CQ CQ JA9YBV 立山アマチュア無線クラブ 

    JCG移動サービス局です。富山県中新川群上市町/9 

    剣岳登山口、馬場島キャンプ場から、ワッチ局ございましたら

    QSO願います スタンディングバイ 」

混信の中から早速応答あり。横須賀の二文字OM局からのQSOを皮切りに、

滑り出し順調。

その後、パイル状態が続く・・・段々と口回りと耳がおかしくなり、途切れた

ところでQRT。

  「 もう10時半! 」

階下では、会長とMさん、ドンドン焼いているTさん、明日の予定があるので

下山する。

そこへSさんの声。暗闇の中から入れ替わりに登ってくる。焼きそばを作る。

薄暗いカンテラの明かりと炭火の明かり。星の輝き、自然の真っ只中での夜食。

Sさんは、

  「 おなか減ったぁ〜 」

と飯盒の炊きこみご飯と焼きそばを、うまそうにペロリ !!

夜の冷え込みも"晩秋"を思わせる。少し風がでると大きな枯葉が舞い、ガサガサ

と音をたてて地に落ちる。

枯葉が落ちる音、そんな音は下界では聞けない。秋の虫達の鳴き声に耳を傾け、

秋の夜長に四方山話に花が咲き、やがて白々と夜が明けることだろう。私と会長

は、すでにダウン。スヤスヤ・・・

SさんはAM4時頃下山。入れ替わりにIさんが登って来る。

  「 意外と遠いね〜 」

と、

  「 いやいや朝早くからご苦労さん まぁ〜まぁ〜駈けつけ一杯グーッと

    グーッと 」

Iさんもいける方だから

  「 う〜ん、うまい! 」

と。 また、残り火を起こし、寒いので会長が用意した湯豆腐!

  「 粋だね〜 」

  「 憎いね〜 」

と言いながら、これがまた美味く温まる。さて私は最後のモーニングサービス!

と再度マイクを握る。

相変わらず、7Mhzは賑やか。なんとかQRV。

  「 CQ CQ CQ 」

である。 存外に

  「 上市町はファ-ストでした ありがとう 」

と。

  「 やってて良かった アマチュア無線 」

一人で納得? なんか変?

今回の参加局は少なかったのですが、それなりに秋を肌で感じ、紅葉を目で

楽しみ、良き思い出の一コマになればと書いてみました。

                                    

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