--- あいつの訃報 ---



 同級生から訃報あり。入院していたのは知って居たが「面会謝絶」だったのは癌治療の為とあった。  

小学3年の時、神戸から来た母子家庭の疎開生だった。  

昼間は「かあチャンがいないから」とよく我が家の台所へ来て、ただ飯を食っていた悪がき。  

 そのころ我が家は大きな「食堂」をやっていたので、飯炊き婆さんに残り飯を貰っていた。  

親父も黙認。「おっかさんが働きに行っているからかわいそう」と、中学、高校も一緒  

悪知恵の働くヤツで、遊ぶのには面白かったね。  

私が「東京修行時代」には、女、酒、賭け事と一人前になっていた。そんな悪知恵は爺さんになっても  

直らなかった。  

 しかし、憎めないヤツで、結構世間では人気者。葬儀も沢山の方々がお参りし「人生の達人」  

生き方の違いをしみじみと感じましたね〜  

 「 とうとう逝きましたね〜 」  

 「 ちょっと静かになりますかね〜 」  

 「 なんだか味気なくなりますね〜 」  

 「 良い人とは言えないがサビが亡くなりますね 」  

何の功績も残さず「悪名」を残す、楽しいヤツだった。  


  

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