部屋に入り、明かりをつける。 とたんに、二人っきりの世界。もじもじしながら、いきなり飛びついて来た。 「 ちょっと待てよ、そう〜焦らないで、落ち着けよ 喉が渇いたから、ビールでも取って乾杯しようよ 」 「 それもいいわね〜 」 と注文した。 普段は余り飲まない私ですが、きょうに限ってグイグイ進む。 彼女も呑んだ。もともと彼女は酒には強い方でケロっとしているが、もう〜 イライラしているのが分かる。 「 そんなに呑んで大丈夫なの? 」 「 すこし呑み過ぎたかなぁ〜 」 そのうち、普段の疲れと昼のアルコールで眠くなって来て、ウトウトしだした。 「 ねぇ〜ねぇ〜てば〜 」 「 少し寝て行こうかぁ〜 」 「 ん〜? 」 暫くは私を介抱していたようだが、諦めて部屋を出て行った。 彼女の期待は、無残にも裏切られたようだ !! 後日、私と逢うと、 「 残念だったわよ、期待していたのに・・・ アルコールって、男をだめにしちゃうのね〜 わかったわ 」 「 いゃ〜失敗、失敗、ごめん、ごめん 」 と謝るより仕方がない。 一ヵ月後、店の支配人と出来ちゃって、ルンルンの彼女を見た。 『幸せ』を絵に書いたような顔をしていた。 女って、女って奴は、やはり判らん、判らん。 その後、彼女は、田舎へ帰って花嫁修業のため、店を辞めた。 しかし、その後、誰と一緒になったかは私もしらない。 幸せであることを祈るのみです。 つづく |