"流 れ 星" 

平成10年 8月
大汝小屋にて


 8月22日は夕方、小屋に3人のご婦人が来山、1泊とのこと。

FWI局とUEX局は、例によってパイル状態です。私は休憩で

ストーブに温まりに。   

 ご婦人方もストーブの横に、50歳前後でしょうか、かなり、

"なまり"がある1人は宮城県の人、1人は福島県の人、もう1人は

山形県の人。どんなトリオでしょう。しかし、話が通じる私も以前

山形県に関係があったので話の中に入っていきました。

これが話が合って面白い。しばし無線のことは忘れて話し込んで   

しまいました。


 夕食後外に出てみました。満天の星空だ。その中の1人がいやに

星座に詳しく、

  「 あれが獅子座 あれがかに座  」

と指差して説明してくれました。トリオは星を見に来たのでした。

8時を過ぎた頃、トリオはたくさん着込んだ上に、各々毛布を片手に

電灯を片手に持ってピークに登っていきます。

  「 あんたもこら 」

  「 マズイですよ 恥ずかしいから 」

  「 ウフフフ・・・ アッハハハ・・・ 」

  「 ??・・・ 」

  「 流れ星が見えるうちに願い事をする 」

  「 寒いのに・・・ 」

女はいくつになってもロマンチックなんだなぁと思う。乙女に戻る

のかな。一緒に行けばよかったかな。何をお願いしたのかな?


 翌朝食の時、トリオはニコニコ。

     「 3人とも流れ星に会えたわ 」

と。 考えてみれば、私も大汝とは年に一度の七夕さんの様なもの。

このトリオさん達は、勿論、この世の酢いも甘いも知り尽くして

いる人たちだが、星に願いを込めて身も心も洗われたようだと、

来て良かったとしみじみ言っておられました。


 まあ、これも移動運用での出会いの一つですが、山に来る人には

悪い人はいないのですね。



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