--- だれよりも赤いきつねを愛す ---



 富山県東部の「麺類屋」の看板には「そば・うどん」、県西部では「うどん・そば」

と掲げてある。

「そば」は関東系、「うどん」は関西系と言われていますが、真偽の程は判りません。

しかし私の場合、なぜかその「そばや」へ入って注文するのはいつも決まって、

「うどん」なのである。

では、何故うどん、特に「きつねうどん」なのか !

 語れば長くなりますが、ある年、夏山の北アルプス立山へ登った時、途中から天候が

急変し、強風、雨、気温低下と最悪の中、やっと頂上の小屋に辿り着き、寒さとびしょ

濡れでガタガタと震えて居るときに、

  「これを食べて暖まられ〜」

と、差し出されたのが「赤いきつね」のカップうどん ! 

(メーカーの人が喜ぶかなぁ〜) 

フーフーと立ち昇る湯気を吹き吹き、その暖かい汁、うどん、揚げが舌から喉へ食道を

通り、胃袋へ納まるのがあれほど感じたことがあったろうか

  「 ああ〜 生きかえった 」

と、実感したものです。

空腹と寒さには熱い「赤いきつね」うどん、その時は、世の中でこんな美味いものは

ないと感じ入ってしまったのであります。

今でも、コンビニやスーパーに並んでいるこのカップを見ると、つい籠に幾つか入れて

しまう。

愚妻は、

  「 また〜それ〜? 」

  「 今 これについて説明している暇はないから〜 」

と一人で、当時を思い出しながら、味わっている。 

「赤いきつね」さん ありがとう〜

                                    

 次へ 

 戻る(徒然なるままにエッセーのページへ) 

 ホームへ戻る