--- そうめん ---


 
私は何故か短期だろうが入院する毎に、(夏期)病院食の「味気なさ」に我慢出来ず、  

無性にそうめんが食べたくなる。  

銘柄は問わず、大きな「鍋」にたっぷりと湯を沸かし、ゆっくりと湯がき、硬さは  

何度も長箸に取って確認する。火を止め、五分ほど蓋をして蒸らし、水たるに移し、  

ゆっくりとぬめりを取り冷やす。  

さて、付け汁だが、小さな鍋に「しいたけ」を二〜三枚つけて浸して置く。浸し戻  

ると細かく「ひょうし切り」にし、その中に出しの元を醤油と砂糖、酒少々入れ、  

味を整え煮込む。  

きゅうりの塩もみをひょうし切り、生姜を少し摩り下ろし白ねぎを切り、冷やした  

先ほどの「出し汁」に入れる。  

一口、口に含んだ時の「満足感」はなんとも言えない。  

そんな事を想像しながら「早く退院」したく、看護婦さん先生の言う事を良く聞き  

「模範病人」となって、「しめしめ」と一人ほくそ笑んでいるのです。  

退院した、その日、腹いっぱい食ったぁ〜  

「食べ過ぎて又、入院ですよ」と、奥方、  

「気を付けま〜す、あははははは〜」  

なんと単純な男よ・・・

  

 次へ 

 戻る(徒然なるままにエッセーのページへ) 

 ホームへ戻る