--- サケ、最後の一尾 ---


 
 寒い朝、たった一尾になったサケ、メスでしょう、スタイルのいい魚体、だが背中と尾が傷ついている。  

オスの姿は無い、それともそのメスは決まったオスを待っているのか、弱々しく流れの緩やかな所を選んで  

ひたすらひらめくように泳いでいる。今日で四日目である、ただ「操」を守り通したのか、大したサケだと  

関心して見ている。このまま絶命するのか、川岸にはそれを待っているかのように「青サギ」がジ〜と狙って  

いる。日が経つにつれてやせ細っている。今朝、川岸から覗き込むとその姿は消えていた。  

「 あぁ〜 待っていても無駄だったのかぁ〜 それもそのサケの生き方だったのだろうよ 」  

現代の若者、特に女の娘に見せてやりたいよ。多分、青サギか、絶命して川下へ流されて行ったのでしょう。  

哀れサケよ、合掌。

  

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