--- 人生、再出発 ---

 

                                                                                                         
 先日、仕事の関係で少し遅くなったので、高速を一区間乗り、○○インターの

料金所でのこと。

   「 はいはい、4番ですね 」     

中型車の区分けのこと。

   「 はい、4です 」     

そこで、千円札を出す。     

   「 千円戴きました。料金は600円です。おつりは400円ですね、

     ヒイ〜フウ〜ミイ〜ヨウ〜イ〜ウ〜?  」

後続車は無い。マニュアル通りに

   「 復唱〜 料金600円おつり400円 ! ヒイ〜フウ〜ミイ〜ヨウ〜 」

   「 んんん〜 」

多分、最近入った新人なのでしょう、真剣にやっている。     

   「 余計あってもいいよ 」     

にこりともせず、真顔で、     

   「 頼むちゃ〜 オラ〜 後でバクマイせんにゃ〜ならんがいちゃ〜 」

年のころ、60前、メガネを掛け、少し白髪混じりで制服が似合う。

百円玉の数え方といい、バクマイといい、なにか、懐かしくなってきた。     

落語の「時そば」ではないが、ヒイ〜フウ〜ミイ〜と数えている時、途中で

「今、何時だ〜」と言おうと思いましたが、余りにも真剣な様子なので、茶かす

のをやめました。

しかし、この歳になっての再就職も大変だなぁ〜と思いつつも、その真剣な

態度は、清々しく、むしろ美しく見えました。

だが、あのおじさん続くのかなぁ〜と案じつつも・・・ 

   「秋風と黄昏て行く人生の悲哀を感じながら

        あなたは明日が見えますか、と言われた時

                    笑って答えず・・・言不要」

                       

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