--- 栗拾い ---


[栗]

                                                                                                                                                
 ある、農家でのこと。少し時間があったので、その家の周りを散策していた。     

細い農道の脇に、大きな栗の木。その根元に、いが栗の空が沢山落ちている。

  「 痛て〜っ 」      

私の肩に一つ落ちてきた。「風」の悪戯か パラパラ落ちてくる

落ちて、中身の「栗」がはじけるように飛び出す。

意外と大粒な「栗」である。 茶色くつやつやしている。

チャンスとばかり、慌てて車に戻り、手袋とアノラックと帽子を被り

  「 準備万端 そ〜れ〜 」

落ちて来るわ、落ちているわ、たちまち両脇のポケット満タン。

  「 そうだ !  コンビニの袋が車の中にあったっけ〜 」

その袋を取りに戻り、これも満タンに。

早速、携帯で愚妻に「今晩は栗ご飯にしょう」と・・・

その農家の叔母ちゃんに

  「 ここの栗は大きいねぇ〜 」

  「 あぁ〜 パンパン栗け〜 」

  「 パンパン〜? 」

  「 そぉ〜 パンパンに入っているからねぇ〜 」

  「 あぁ〜 そう言うこと〜 」

  「 あの木には肥やしをやって、栄養たっぷりやからねぇ〜

    中身もでっかいやろ〜 」

  「 な〜るほど〜 」

  「 いっぱい、もって行かれ〜 おっかちゃん喜ぶぞぉ〜 」

  「 ごっつぉさん ありがとう 」

重くて袋が破れそうな手応え、今夜は「栗三昧」

秋満タン、秋満腹。 甘露、甘露である。 

       

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