--- 鏡開きに ---


                                                                
 工場長が「甘いもの好き」とのこと。

正月も明け、鏡餅を神棚から降ろし「ぜんざい」にして、従業員と食べるのが

恒例になっている。        

昨年、その事務員が内の事務所に遊びに来ていて私の作った「ぜんざい」を

食べて行った。     

それを聞いた、工場長(大阪から富山へ赴任)から   

   「 今年こそ、あなたの作ったぜんざいを皆に食べさせたい 」   

と言われ、

   「 そうですか、それでは『こだわりのぜんざい』作りましょう 」

と約束したのであった。

 そこの事務員は約15名。日も段々と近づくいてくる。

まず小豆であるが、北海道産の「大納言」に決定。

これは普通の小豆よりは大粒である。通常スーパーなどで売っている小豆は、

中国産が多く、煮るとすぐに粒が割れてしまう傾向がある。

そこで「大納言」一升、水洗いし、細かいゴミ、小石、枯れ粒を除く。

そして大き目の鍋にて、水たっぷり入れて煮沸。すぐ冷水にて水洗い、渋を流す。

再びたっぷりの水にて煮沸。そして水洗いをする。  

 さて、いよいよ本番の煮こみである。煮沸したら細火にしてゆっくりと煮る。

粒殻が割れないように煮こみ、それでもやはり少しは割れが出るが、それもよし。

網籠に揚げて割れの汁を取り、煮こむ。鍋に入れ、砂糖と煮こみ、その糖液に

煮あがった大納言を一晩漬けて沁み込ませ、翌日ゆっくりと細火にて、仕上げの

煮こみをし、これで良しと確信したら少々の塩を入れて、甘味をすっきりと

上品に後味を引かせる。

 今回の仕込みは、私としては、上々の出来ではと思います。

次回は、いよいよ、皆さんの「試食」です。その反応が楽しみです。  


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