--- 夏と秋の狭間に ---



 快晴、なんだか、休日だと言うのに、いつものように早朝から目覚め、台所へ行って  

お湯を沸かし、コーヒーを入れ、トーストを焼き、バタバタしているので、  

  「 あんた〜どうしたの〜 朝早く〜から〜 お休みでしょう〜 どっか行くの〜 」  

眠気顔に腫れぼったい目を擦りながら、  

  「 いや〜 べ〜つに〜 」  

  「 そんなら〜 海岸でも散歩に行ったら〜 そ〜ジョギングして〜 ダイエットに  

    なるわよ〜 青汁もあるし〜  」  

  「 お互いさまだ〜 」   

それきりだんまり〜  

  「 もう少し寝ますよ〜 」  

  「 あぁ〜 」  

黄昏た、老夫婦の早朝の味気ない会話である。  

 ベランダから見る久しぶりの日の出、今朝はくっきりと北アルプスの山々のシルエット、  

朝夕の冷気の寒は、もうすぐそこに来ている。「秋」の気配。  

蝉も最後の夏を惜しむが如く、有らん限りの声を振るわせ、断末魔の声。  

日中は、トンボ、南へ帰り損ねているのかまだ飛び交う燕、夕日が落ちれば、どこから  

集まるのかコウモリの群れ、彩りを戸惑う木々の葉、色付けば落ちねばならないと必死に  

しがみ着いている、葉、葉、はっぱ達・・・  

山間部では、唸るコンバイン、早手の稲刈り、たわわに実る梨、りんご・・・  

あぁ〜オリンピックでの、金、銀、銅、に一喜一憂、このメダルの色で人生も変わるのか !  

努力、才能、幸運、この順番の入れ替わりによっても・・・  

そして、どれか一つが欠けても・・・  

あぁ〜すべて、神の思し召すままに・・・                                                        

                   

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