--- 一筆啓上 ---



 何かの拍子で、数年前、福井のサービスエリヤで目にした「日本一短い手紙」、  

特に「親子間の手紙」の事をふと思い出した。  

福井県は丸岡町で「懸賞募集」しているそうである。もう〜かなり回数も重ねて  

いて全国的に有名になっているようである。  

思い起こしても、私と親父との手紙のやりとりは記憶には無い。  

父親は筆不精の類には当たらないが、私の為に一度だけ、書いてくれた「履歴書」  

のお手本かなぁ〜半紙に毛筆で書いてくれた。  

これがなかなかの達筆で親父を見なおしましたね〜  

私には、筆はとてもとても、と万年筆で書いていたら、横目で見ながら、渋い顔を  

して、  

   「 ふむ、ふむ 」  

と、苦笑いしていた思い出がある。  

 私が上京して5年、初めて新宿大久保駅近くにアパートを借りた時、田舎に住所  

移転を知らせたら、お袋から大きな「布団袋」が届いた。  

袋を開けたら、布団の間に挟んだ「手紙」が「ポロリ」と落ちた。  

決してうまいとは言えない、たどたどしい文字だったが、母親らしい暖ったかい  

気持ちが伝わって来た。  

   「 かぜ、ひかれんな〜 あんじょ〜しとられ〜 」  

その晩は、布団にくるまり、寝返りばかりで、なかなか眠れなかったね〜  

意外と親子の手紙のやりとりが無かったが、記憶に残る手紙である。   

 最近は手紙の代わりに、遠方の兄弟達とメールのやりとりをやっていますが、  

少し「めんどくさい」らしく、なにかと電話での連絡が多くなりつつある。  

私も子供達に手紙を書いてやろうかなぁ〜 手紙は後々まで残るからね〜  

いい〜思い出になればいいがね〜                     

                   

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