--- ある夏の日の涼 ---


    
 日中の暑さに比べ、夜中の肌寒さに目が覚めた。  

雲は垂れ下がり、陽は薄ぼんやりと、何時の間にか消え、山はガスり  

暑〜い一日だった。  

  「 そうだぁ〜久しぶりに、お岩さんに行って冷た〜いソ−メンと  

   水だんごと、ところてんを食べ、帰りに湯の神子で風呂に入りに  

   行く人、この指と〜まれ〜 」  

  「 賛成〜 」  

  「 賛成〜 ! 」  

食い物の話になると、まとまりの早いこと、早いこと !!   

さすが、この山間部に入ると涼しく、「お岩不動明王」を参詣し、  

念願の「食」に舌つつみを打ち、  

  「 いいね〜 たま〜にこんなところへ来て落ち着いた気分になる  

    のも〜 」  

耳を澄ませると、蝉の声、日なたには塩からトンボが・・・  

  「 もう〜 夏だなぁ〜 」  

満足気に下山し、湯の神子でお風呂に入り、さっぱりとした気分。  

 

 「けふ切りの声を上げけり夏の蝉」 小林一茶 句集より  


       

[写真1;大岩の龍の滝] [写真2;とある茶店] [写真3;大岩不動の山門]

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