---  花冷え ---


  
 桜、いや〜花冷え、四月だと言うのに霜が降りている。  

車のフロントガラスが凍り、ワイパ−が悲鳴を上げている。  

  「 ガリガリガリ〜 」  

可愛そうに、だって〜前が見えないんだもん。  

時間に余裕が有れば、暖気運転出来たのに〜  

急いでいる時は仕方がない。  

  「 ごめん、ごめん 」  

と労わるように、何とか少し見えるフロントに顔を近ずけ、  

覗き込みながら駐車場を何とか出る始末。  

まだ、午前4時半、月は薄ぼんやりと出て、星も見える。  

  「 放射冷却かなあ〜 」  

桜も、顔をだそうか、どうしょうか、迷っていることだろうね。  

川岸の、今にも倒れそうな乳母桜にも、花が咲きそうな気配。  

私にも、もう〜 一花咲かせなくては、と言われているみたい。  

つらいね〜 もう〜 ガタガタ なのに〜  


       

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