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--- 私の青春時代 その4 ---

( かりん糖工場 )


     
 神田の叔父さんに大きな「釘」を一本刺され、肝に命じて精進する決心をし、翌日、早速  

従兄弟と新宿へ、東口に出ました。  

人人人、車の行列、デパ-トあり、繁華街の賑やかなこと。これでは、毎日がお祭りです。  

従兄弟は、まっすぐコマ劇場の方へ歩きます。  

    「 ここが、新宿では一番面白い、歌舞伎町だよ~ 」  

    「 ん~? 歌舞伎でもやっているの~ 」  

    「 ハッハハハハ~ まぁ~まぁ~ ゆっくり歩いて一回りしようよ 」  

な~る程、段々と分かって来たのです。頭の中は蛍光灯だね~ ま~てよ、昨夜叔父さんの  

「釘」がチクリと刺さります。

いけねぇ~いかん、いかん、従兄弟は最初にこんな所へ連れてきて「試す」つもりだな !

    「 それよりも、中村やを探そうよ 」

    「 すぐそこだよ~ 」  

それにしても、とんでもない所へきたものだ~

ドキドキしながら、その店の店員さんに、田舎からの知人を訪ねると

    「 ○○さんは先月退社されました 」

    「 え~っ 」  

絶句でした。事情を説明しましたら、  

    「 事情はわかりました、人事の人に面接して下さい 」

と・・・

履歴書を見せ、洋菓子を勉強し修行をしたいと説明しましたら、  

    「 では、良かったら我が社の下請けですが、ここを見学して決めて下さい 」

と名刺と地図を書いてくれました。

都内の地理不案内なので、従兄弟に見せますと、

    「 これは中野じゃん 」

電車でそちらに向かいます。期待でわくわくしながら・・・

そこは、小さな町工場でごみごみした下町の場末。着いた所の看板が「かりん糖」工場。 

がっかり。

    「 帰ろうよ 」

    「 そうだね~ 」

期待はずれで、足も重く・・・  

「かりん糖作り」なんか習うつもりはないのです。  

   ( ・・・ さ~て、一応神田へ帰って考え直そう~ ・・・ )  

このまま、すごすごと田舎へ帰る訳には行かないのであります。さ~て、仕切りなおしです。                        

                                          つづく

                   

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