約束通り、9 時にS氏と待ち合わせ、山手線に乗り、田町駅で下車、歩いて10分程で 慶応大学前の「F茶屋」に。 併設の喫茶でそこの社長と面接。 「 では、明日から来てもらいましょう 」 と快く承諾戴き、S氏に感謝、感謝。 「 また、編集室に顔を出しなさい、真面目に頑張りなさい 」 「 お世話になりました、有難うございました 」 と再びお礼をいい、神田へ帰り、叔父さんに報告、田舎へも電話しました。勿論その店 には、住み込みで勤めます。 さて〜 いよいよと、早朝、山手線に乗り田町駅へ。なんと人、人、人の多いこと。 田舎ではこの人出は「祭り」以外にこんなに集まらない ! 電車は満員、ギュウギュウ詰。 ( ・・・ どこからこんなに出てくるのかなぁ〜 ・・・ ) と、おのぼりさんのまんま ! 大学前通りは都電が通り、店の前には信号がある。これが後で悩みの種になろうとは、 まだ気付いていないのであります。 朝、八時ようやく店が開き、社長に逢い、各職場の皆さんに紹介されました。 「 ところで、君は何をやりたいのかな 」 「 はい、洋菓子を習いたいと思います 」 「 ん〜 では、まず、喫茶から始めてもらいましょう 」 陳列ケースの後ろは、和菓子工場、その隣は喫茶部、その二階は洋菓子工場、和菓子 製造は職人3名、見習1名、洋菓子製造は職人は3名、見習2名、販売店員3名、配達 1名、喫茶部2名、それと芝白金に支店があり、2名、食事まかない2名、だいたい こんな人員です。 開店は朝八時、閉店は九時です。 さぁ〜て、いよいよ「喫茶部」に、私と同じ年頃の女の人とのコンビでやることに なりましたが、なにしろ私は『ズブの素人』、全てのメニューの作り方、接客マナーを その女の人(娘)に素直に習いました。 「 いやぁ〜 ほんと〜 ですから〜 それに〜 」 話し言葉『標準語』と言わず「共通語」には、特に気を付けて話しましたが、その先輩 (女の娘)は群馬県の出身、やはり語尾に特徴がありました。考えて見れば、この店の 人達も青森、新潟、栃木、神奈川、静岡、北海道といろいろです。特に富山の人は始 めてだそうです。 「 富山は暗いからなぁ〜 と社長が言っていたそうですよ 」 先輩の人から聞きました。 いやいや、私は例外ですかねぇ〜 ? つづく |