--- 私の青春時代 その6 ---

( 修行開始! 慶応大学前 )



 約束通り、9 時にS氏と待ち合わせ、山手線に乗り、田町駅で下車、歩いて10分程で  

慶応大学前の「F茶屋」に。  

 併設の喫茶でそこの社長と面接。  

    「 では、明日から来てもらいましょう 」  

と快く承諾戴き、S氏に感謝、感謝。  

    「 また、編集室に顔を出しなさい、真面目に頑張りなさい 」  

    「 お世話になりました、有難うございました 」  

と再びお礼をいい、神田へ帰り、叔父さんに報告、田舎へも電話しました。勿論その店  

には、住み込みで勤めます。  

 さて〜 いよいよと、早朝、山手線に乗り田町駅へ。なんと人、人、人の多いこと。  

田舎ではこの人出は「祭り」以外にこんなに集まらない ! 電車は満員、ギュウギュウ詰。  

   ( ・・・ どこからこんなに出てくるのかなぁ〜 ・・・ )  

と、おのぼりさんのまんま !  

大学前通りは都電が通り、店の前には信号がある。これが後で悩みの種になろうとは、  

まだ気付いていないのであります。  

 朝、八時ようやく店が開き、社長に逢い、各職場の皆さんに紹介されました。  

    「 ところで、君は何をやりたいのかな 」  

    「 はい、洋菓子を習いたいと思います 」  

    「 ん〜 では、まず、喫茶から始めてもらいましょう 」  

陳列ケースの後ろは、和菓子工場、その隣は喫茶部、その二階は洋菓子工場、和菓子  

製造は職人3名、見習1名、洋菓子製造は職人は3名、見習2名、販売店員3名、配達  

1名、喫茶部2名、それと芝白金に支店があり、2名、食事まかない2名、だいたい  

こんな人員です。  

開店は朝八時、閉店は九時です。  

 さぁ〜て、いよいよ「喫茶部」に、私と同じ年頃の女の人とのコンビでやることに  

なりましたが、なにしろ私は『ズブの素人』、全てのメニューの作り方、接客マナーを  

その女の人(娘)に素直に習いました。  

    「 いやぁ〜 ほんと〜 ですから〜 それに〜 」  

話し言葉『標準語』と言わず「共通語」には、特に気を付けて話しましたが、その先輩

(女の娘)は群馬県の出身、やはり語尾に特徴がありました。考えて見れば、この店の  

人達も青森、新潟、栃木、神奈川、静岡、北海道といろいろです。特に富山の人は始  

めてだそうです。  

    「 富山は暗いからなぁ〜 と社長が言っていたそうですよ 」  

先輩の人から聞きました。 いやいや、私は例外ですかねぇ〜 ?  

                                                   つづく               

                   

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