--- 私の青春時代 その7 ---

( 茶店ボーイ )



 いよいよ、仕事としての「茶店ボーイ」 服装は白のバーコート上下、カウンターの中で作ら  

れた品物、飲み物をステンレスのお盆に乗せてお客様のテーブルに運びます。  

   「 いらっしゃいませ、ご注文は!」  

注文を聞き、カウンター内にオーダーし、伝票とオーダー品を確認。『お待たせいたしました』、  

『ありがとうございました』、これが基本ですがメニューを覚え、アイスかホットか、値段等  

など、初日は身体と頭の中はてんてこ舞い、さすがに『疲れた〜』です。だが、茶店も面白いと  

興味を持ち、何時の日か、自分でもやってみたいと思いましたね〜 
 

 さて翌日、  

   「 昨夜は参ったなぁ〜 全然眠れなかったです 」  

   「 どうして〜 」  

   「 だってね〜 寝て居る部屋があの通りに面していて、天井が低いし、  

     目の前に信号があって、自動車がうるさくて〜  」  

   「 なぁ〜に、なれれば、その音が子守唄に聞こえてくるよ 」  

   「 あれが〜 子守唄〜? 」  

   「 田舎へ帰ると、逆に静かで眠れなくなるさ 」    

   「 そんなもんですかねぇ〜? 」  

都会の人達は眠らないのかなぁ〜 そんな馬鹿なぁ〜 正に「不夜城」である。 
 

 朝はAM6:00に喫茶部へ。床掃除、テーブル拭き、タンブラー拭き、コーヒーの採り方  

(ドリップ式、サイフォン式)コーヒー豆の焙煎、ミキサ-の掛け方(荒引き、細引き)、コーヒー  

豆の種類、選び方などなど、メモするのに一生懸命です。  

そのうち、準備中にも関わらず、客が入って来ました。  

   「 いつもの 」  

   「 ん〜? おはようございます? 」  

すかさず、先輩(女の娘)は、  

   「 先生 !  いらっしゃいませ、おはようございます 」  

   「 ん〜? 見かけない人だねぇ〜 」  

   「 はい、今日から入店しました新人の内山君です 」   

私も、   

   「 内山です、よろしくお願いいたします 」  

   「 ん〜 よろしく 」  

先輩は、煎れたてのコーヒーを作り、私に目で合図し、先生に持って行くようにと・・・  

   「 お待ちどうさまでした 」  

   「 ん〜 」  

銀淵のメガネを掛け、年のころは50歳くらい。少し小太り気味、近寄りがたい雰囲気の先生だ〜  

私の苦手な人だなぁ〜と思っていましたが、後にいろいろと御ひいきになる先生でした。  

ちなみに、この先生とは向かいの大学教授で「T先生」とおっしゃるのであります。  

                                               つづく             

                   

 次へ 

 戻る (私の青春時代のページへ)

 ホームへ戻る