さて、福沢諭吉が創設した、慶応大学前のF茶屋に来て一ヶ月、ようやく生活のリズム、 仕事にも少しは慣れ、見るもの、聞くもの、味わう物、また、それらの『作り方』夢中で 楽しく日が過ぎていきました。 九月に入っても残暑が厳しく、うだるような日々が続き、店としては『アイス、水物、 飲み物』が飛ぶように売れ、大変多忙な毎日でしたが、楽しみは閉店してから店のテレビを 見るのが唯一の娯楽でした。 住み込みの人(男)が4人、女子は3人(白金に寮がある)、その他は通いでした。 お休みは、毎週日曜日ですが、食事は出ず、自炊するか、外食です。まずは溜まった洗濯 物(個人)を午前中に済ませ、午後からは外出。 田舎者の私は、近くの東京タワーに昇り、 (・・・ さ〜て、今日は何処へ行こうかなぁ〜 ・・・) と、展望台備えつけの望遠鏡から眺め、決めるのがいつものパターンである。 憧れの銀座、有楽町、浅草、上野動物園、まるで、修学旅行のコース。 段々と慣れてくると、渋谷、新宿といった混み合った繁華街へ。 あまり遊び回って居ると 帰りの電車賃も危なくなる事も・・・ (・・・ よし、次回の休みには山手線の各駅で下車し歩き回って見よう ・・・) とか、 (・・・ いやいや〜 はとバスに乗って回ろう〜 ・・・ ) とか、これも昼のコースと夜のコースといろいろあるようで『おのぼりさん』には、持って 来いの『東京見物』でありました。 つづく |