--- 私の青春時代 その8 ---

( 楽しみ )



 さて、福沢諭吉が創設した、慶応大学前のF茶屋に来て一ヶ月、ようやく生活のリズム、  

仕事にも少しは慣れ、見るもの、聞くもの、味わう物、また、それらの『作り方』夢中で  

楽しく日が過ぎていきました。  

 九月に入っても残暑が厳しく、うだるような日々が続き、店としては『アイス、水物、  

飲み物』が飛ぶように売れ、大変多忙な毎日でしたが、楽しみは閉店してから店のテレビを  

見るのが唯一の娯楽でした。  

 住み込みの人(男)が4人、女子は3人(白金に寮がある)、その他は通いでした。  

お休みは、毎週日曜日ですが、食事は出ず、自炊するか、外食です。まずは溜まった洗濯  

物(個人)を午前中に済ませ、午後からは外出。  

田舎者の私は、近くの東京タワーに昇り、  

  (・・・ さ〜て、今日は何処へ行こうかなぁ〜 ・・・)  

と、展望台備えつけの望遠鏡から眺め、決めるのがいつものパターンである。  

憧れの銀座、有楽町、浅草、上野動物園、まるで、修学旅行のコース。    

段々と慣れてくると、渋谷、新宿といった混み合った繁華街へ。 あまり遊び回って居ると  

帰りの電車賃も危なくなる事も・・・  

  (・・・ よし、次回の休みには山手線の各駅で下車し歩き回って見よう ・・・)  

とか、  

  (・・・ いやいや〜 はとバスに乗って回ろう〜 ・・・ )  

とか、これも昼のコースと夜のコースといろいろあるようで『おのぼりさん』には、持って  

来いの『東京見物』でありました。  

                                               つづく             

                   

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