--- 私の青春時代 その13 ---

( 来たなぁ〜 )



 住み込みでの男の洗濯物は、ちょっと厄介なものですが、私の場合は仕事が終わると  

大抵さっさっと石鹸で手洗いして、すぐ干します。白衣はクリーニング屋が持って行って  

くれますので心配要りません。  

 先輩のK子さんが  

  「 うっちゃん〜 洗濯物はどうしているの〜 洗っているの〜だってね〜  

    あんた以外の人達(住み込み)は私が洗ってやっているのよ、 ただし、  

    シャツは10円、ジャンパー30円、パンツは20円貰うんだけどね〜 」  

  「 へぇ〜 噂には聞いていたよ〜 」  

  「 だってね〜 洗ってやんないと、汚れるとゴミ箱に捨てるんだもの、  

    すごいんだよ〜 シャツは今日は表、明日は裏返しに、パンツに至っては  

    明日は後ろ、前にするんだって〜 」  

  「 いや〜 なんともはや〜 」  

  「 今度、洗濯機が回っていたら、あんたのも一緒に放り込んどいたら〜 」  

  「 いいよ〜 金とるんだろう 」  

  「 あっはははは〜 大丈夫、大丈夫サービス、サービス 」  

  「 サービス〜 ? あぶないね〜 」  

  「 ところで、次の休みは何か予定がある? 」  

内心、  

  ( ・・・ 来たなぁ〜 ・・・ )  

と。  

  「 いや〜今月はおこずかいもすってんてんだから 」  

  「 実は私は東京に来てから、有楽町へ行ったことがないの 」  

  「 そ〜れで〜 」  

  「 有楽町で映画を見たいのよ 」  

  「 つまり俺とディートしようってんだね 」  

  「 まぁ〜 はやい話しがそうゆうことなのね 」  

もはや、彼女は空想の世界に飛んでいるようです。地下街の店を見て歩き、オープン  

なカフェテラスでお茶とケーキをつまみ、映画を見て食事をし、さて〜次は〜 ?  

『いやいや』と打ち消すように手で払い、 あぁ〜そこまで、 残念 !!  

  

                                              つづく

                   

 次へ 

 戻る (私の青春時代のページへ)

 ホームへ戻る