住み込みでの男の洗濯物は、ちょっと厄介なものですが、私の場合は仕事が終わると 大抵さっさっと石鹸で手洗いして、すぐ干します。白衣はクリーニング屋が持って行って くれますので心配要りません。 先輩のK子さんが 「 うっちゃん〜 洗濯物はどうしているの〜 洗っているの〜だってね〜 あんた以外の人達(住み込み)は私が洗ってやっているのよ、 ただし、 シャツは10円、ジャンパー30円、パンツは20円貰うんだけどね〜 」 「 へぇ〜 噂には聞いていたよ〜 」 「 だってね〜 洗ってやんないと、汚れるとゴミ箱に捨てるんだもの、 すごいんだよ〜 シャツは今日は表、明日は裏返しに、パンツに至っては 明日は後ろ、前にするんだって〜 」 「 いや〜 なんともはや〜 」 「 今度、洗濯機が回っていたら、あんたのも一緒に放り込んどいたら〜 」 「 いいよ〜 金とるんだろう 」 「 あっはははは〜 大丈夫、大丈夫サービス、サービス 」 「 サービス〜 ? あぶないね〜 」 「 ところで、次の休みは何か予定がある? 」 内心、 ( ・・・ 来たなぁ〜 ・・・ ) と。 「 いや〜今月はおこずかいもすってんてんだから 」 「 実は私は東京に来てから、有楽町へ行ったことがないの 」 「 そ〜れで〜 」 「 有楽町で映画を見たいのよ 」 「 つまり俺とディートしようってんだね 」 「 まぁ〜 はやい話しがそうゆうことなのね 」 もはや、彼女は空想の世界に飛んでいるようです。地下街の店を見て歩き、オープン なカフェテラスでお茶とケーキをつまみ、映画を見て食事をし、さて〜次は〜 ? 『いやいや』と打ち消すように手で払い、 あぁ〜そこまで、 残念 !! つづく |