--- 私の青春時代 その14 ---

( 初デート )



 さて〜いよいよ、そのデートの日がやって来た。  

天気は快晴、店の人に知られないよう、田町の駅前で待ち合わせした。  

朝の10時だと言うのに人、人、人。その中から、  

   「 おはよう〜 まった?〜 」  

   「 おっすっ 」  

と、互いに店での制服ではないので  

   「 おぉ〜いかすじゃ〜 」  

と変な気分 ! 山手線はやはり満員、浜松町、新橋、有楽町を通過。  

   「 今日の予定は ? 」  

   「 ん〜 任せなさいて 」  

   「 はいはい 」  

   「 お〜いやに素直だね〜 おのぼりさんみたいだけど、夕べ、デートコースを考えて  

     みたんだ。このまま上野で下りて、動物園、美術館、そして浅草、一回りして、  

     花やしき、昼食、水上バスに乗って、夕暮れに紅い火、青い火のともる有楽町の  

     ラウンジで夕食、ゆっくりお茶等、どうだぁ〜 雰囲気があるだろう? 」  

   「 すごい、凄い、まるで修学旅行みたい ! 」  

   「 修学旅行 ? 」  

私の考えと少しずれがあるようだ。  

 電車は、東京、神田、秋葉原、徒町、上野〜 さすが全国からの終着駅、懐かしい・・・  

『西郷どん』に一礼して、ここから始まる予定のコース、動物園内も随分歩いた。上野から  

タクシーで浅草へ。ここでも結構歩いたね〜。  

 さて、念願の夕暮れの有楽町へフランク永井の、   

   「 ♪有楽町であいましょう〜♪  ♪A,B,C,で〜♪ ♪メートロを下りて〜♪ 」  

自然とメロディーを口ずさむ。そしてジャズ喫茶へ飛びこむ、彼女には想像以上の町。  

軽くハイボールなどを呑み、食事をし、上機嫌。夜の時間の経つのは早い。不夜城の町、  

有楽町、小雨が降って来た。  

   「 もう〜帰ろうか〜 」  

   「 もう〜帰るの〜 」   

   「 何時までいても切りがないよ〜 又、来よう 」  

足がフラついていたのでタクシーで、  

   「 芝三田までお願いします 」   

ライトアップされた東京タワーをめざして車は走る、心地よい。初デートとしては上出来  

でしょう。  

あぁ〜何を期待していたのですか?    

『清く、正しく、美しく』がモットーですから〜 残念〜!                つづく

                   

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