--- 私の青春時代 その18 ---

( おばちゃんたちの娘 )



 それから一年、縁あって目黒は清水町へ移転。そこはレストランと喫茶、その裏に工場  

があり、主に「ビールのおつまみ」、今風のパイ生地で作ったチ−ズスナックを生産して  

いました。  

パートのおばさん達を20人位使い、忙しくわいわいと仲良く仕事に頑張っておりました。  

茶店とケーキはチ−フと私が、一段落すると私が工場長として、おばちゃん達と一緒に  

仕事をしておりました。その他男子が3人、併設のレストランは厨房は男子3人、ウエイ  

トレスは3人。  

 一緒に作業をする「おばちゃん達」には、年頃の娘さん達がいるらしく、特に雨降りの  

日は色とりどりのパラソルを差して、「おかあさんのお迎え」が恒例になっておりました。  

これには訳ありで、  

  「 うっちゃ〜ん ! これが家の娘なの〜 」  

と、これ見よがしに紹介されるのでありました。  

  「 はじめまして、いつも母がお世話になりまして 」  

  「 いやいや〜 こちらこそお世話をかけております 」  

簡単な、瞬間的な『お見合い』なのでしょうかぁ〜 ?  

 翌朝、  

  「 ど〜だったぁ〜 家の娘、気に入ったぁ〜? 」  

  「 え〜ぇ〜! そぅ〜だったの〜 」  

  「 よかったら、何時でも言ってぇ〜 すぐよこすから〜 」  

  「 ちょっ、ちょっとまってくださいよ〜 」  

それがぁ〜 私の好みのタイプじゃ〜ないのに〜なぁ〜  

おばさん同士の対抗意識があるのか、雨降りの日には何組か重なったりして〜  

あぁ〜 なにもそんなに一度に来なくても〜 でも悪い気はしないのですがぁ〜  

『いやいや〜 まだまだ〜修行が足らん』と神田のおじさんと親父に、頭の上からどや  

されそうですね〜 俺は情けに弱いタイプだからなぁ〜 !   


                   

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