その社長とチーフが話合っておりました。私はカウンターに入り、パフェーとアイス コーヒーを作り、テ−ブルへ。 その間、セニョリーターはジ〜と私の仕草をあつ〜い目で追って来るのです。私も感 じてはいましたが・・・ その社長は、 「 結論から言いましょう〜 あなたのところの若い人、一人、一緒に メキシコへ行って指導してもらいた〜いのですね〜 」 ジ〜と二人で私を見つめています。そのときチーフの手が私の白衣の後ろを指で摘 んでいて、私が『イエ−ス、アイアムゴ−イング』とでも言うかと後ろで引っ張っていた そうな(後に聞いたら)。 なにせ、あちらは広い国のこと。隣り町まで数百キロもあるそうな。しかも周りは砂漠、 いやいや〜そのセニョリーターに目を奪われ、頭の中はくらくらしていて、いろんな事 を空想している自分に気付き、 「 今日は急なお話ですので、お返事は後日に連絡させてください 」 と・・・ その夜、うちの社長とチーフ、私と3人で酒を飲みながら、 「 お〜い、うっちゃん、お前には悪いが、お断りしなさい。あのセニョ リーターは当て馬だよ〜 向こうへ着いたら、お前が空想してたのと は違ったら絶望だぞ〜 砂漠の中でうずまっていなきゃならんぞぉ〜 やめとけ〜やめとけ〜 向こうに婚約者がいたりして〜 ウワッハハ ハハハ〜 」 チーフも、 「 お前の勘違いかもしれんぞぉ〜 世の中そんなに甘くないて〜 ウッシ シシシ〜」 「 あぁ〜 でもねぇ〜 綺麗な娘だったね〜 」 後の『アグネス・ラム』みたいだったぁ〜 あの瞳でジ〜と見つめられるとなぁ〜参るよなぁ〜 夢の中のセニョール、セニョリーター if(イフ)の世界があったなら、今ごろは〜? メキシコオリンピックの競技をTVで見るたび、思い出してため息をついていました。 あぁ〜 夢の また 夢〜 つづく |