--- 私の青春時代 その25 ---

( M子の誘い その5 )



 その屋上は結構広く、そよそよと心地よい風がふいておりました。  

 「 なんで、こんな所知っているの〜? 」  

 「 ここのタクシ−の運ちゃんに教えてもらったし、ここで一回  

   やったのよ 」  

 「 やった〜? 」  

 「 卓球をよ〜! 」  

 「 ふ〜ん〜? 」  

時間はもう〜9時を過ぎています。卓球台はその一階下にあり、  

当然、車も人も全部出払っているのです。居るのは私達二人っきり  

で『貸切』です。     

球もラケットも台の上にあり、  

 「 さぁ〜二人っきりだし、思いっきりやりましょうかぁ〜! 」  

 「 え〜っ? 」  

 私は俗に言う、温泉宿などで湯上りに浴衣などのままでやる『ピン  

ポン』を想像していたのです。それがぁ〜甘い、甘い。M子はロング  

での打ち合いでもなかなかのスマッシュを打ち込んでくるのです。  

私がこけると、  

 「 うふふふふ 」  

と得意気に笑います。彼女の大きな身体ごと、球にぶつけて来るよう  

です。  

私もむきになって、  

 「 そ〜れ〜! 」     

 「 きゃ〜 」     

と、段々とこの暑いのに熱が入り、も〜二人は汗だくだくです。  

すると、M子はシャツを一枚脱き、私も一枚脱ぎました。  

 「 大丈夫かね〜 誰か来たら変に思われるよ 」  

 「 へいき、へいき、誰も来ないって〜 」     

ますますエキサイト、ラリ−が続きます。  

いつの間にか、私はもう〜上半身裸になっていたのであります。  

M子もこれ以上脱げないくらいになっておりました。ラケットを振る  

ごとに、意外と大きな胸が“ユサユサ”とはみ出しそうで、段々私も  

汗とそれが気になり、『球』が霞んで見えなくなってきました。  

 時計はもう〜10時半、夜中にこんな所で若い男と女、裸同然の  

格好で汗だらけ、やっぱり変な気持ちにもなるよなぁ〜  

若さには理屈は要らないのです。あぁ〜どうしょう〜危ない〜  

そのとき、M子が、  

 「 さぁ〜寮に帰ってシャワー浴びて、下の焼き鳥やでつめた〜い  

   ビールでも呑みましょうかぁ〜 」  

 「 そう〜しようかぁ〜 」  

と私。  

その気になってもこれも何かタイミングと言うか、きっかけが必要の  

ようであります。私はやはり奥手なのかも〜  

 焼き鳥やでは、ビールで“乾杯”。一汗かいた後のビールは実に  

うまいのであります。  

しか〜し、喉の奥に何かが引っかかっているような気がして・・・  

“すっきり”しないのであります。  

M子とは今後どうなるのでしょうか、何か妙な予感がするのですがぁ〜     

                                           つづく         

                   

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