ある日、深刻な面持ちでチーフが、 「 ウッちやんに頼みがあるんだが〜 」 「 えっ〜? 私にできることなら、何でも 」 「 実は〜 こんなこと頼めるのはウッちゃんよりいないんだ〜 」 「 なんでしょう ? 」 「 ん〜 女房に浮気がバレそうなんだよ 」 「 えっ〜 浮気〜? 」 「 そこでだぁ〜 あの娘はウッちゃんの彼女なんだよ、と言ったんだよ 」 「 えっ〜 どんな娘さんなんですかぁ〜? 」 「 デパートガールでF子って言うんだ、美人だぞ〜 背は高く細く、少し 上品で尽くすんだよ 」 「 そんな娘、何処で拾ったんですか? 」 「 例のサントリーバーでだよ 」 「 そんな娘は私になじみますかね〜? 」 「 打ち合わせはしてあるからこれから逢いに行こうよ 」 「 今からですかぁ〜? 」 その娘さんは、きょうがお休みということで、新宿で待ち合わせることになった。 「 来た来た 」 とニタリ顔。 平素見せない顔で『ど〜も〜』だって。 「 打ち合わせのこの人がウッちゃんですよ 」 「 よろしく〜 」 「 このたびは大変ご迷惑をおかけします、よろしくお願いします 」 なるほど美人だぁ〜 俺よりも少し背が高く、やはり育ちの良さが仕草振る舞いに 出てる。 しかし、チーフの奥さんは感が鋭いからなぁ〜 俺とその娘との釣りあい、相性が 合わないことは一目で明かされそうだね〜 ドキ〜。 どうも話しててもかみ合わない娘さんですが、私が俗世に犯されているせいなんです かね〜 余りにも住む世界が違い過ぎるようだ。 いや〜 困ったことになりそうだよ〜 チーフも好きだね〜 やはり違ったタイプの 女に魅力を感じるのかなぁ〜 しかし、後始末がたいへんだぁ〜 つづく |