仕事に出かける時に、チーフの奥さんに出くわした。 「 ウッちゃん彼女が出来たんだって〜? 一度連れて来なさいよ 食事でも 一緒にど〜かしら 」 「 は〜 向こうの都合もきかなくちゃ〜 それでは今度の休みにでも〜 」 「 そ〜ね、そうよね〜 」 えらいことになって来た〜 とうとう面通しされるのかぁ〜 すぐに『ばれる』のになぁ〜 困った、こまった〜 綿密にチーフと彼女、それに私で作戦を練っているけど、奥さんの感は鋭い からなぁ〜 作戦としては、その食事会には、チーフは都合が悪く出ないことにして、3人で という事に! 次の週の休みに、あるレストランで待ち合わせ、何しろその彼女とは、ど〜も 会話もはずまず、仕草もぎこちない。 私は私なりに、懸命に演技したつもりだが、バレバレ。 後日、 「 ウッちゃん本当に彼女なの〜 ? 正直におっしゃいよ 」 あぁ〜なんと言ったらいいか 「 そうです、彼女です 」 「 もう〜なに、したの〜? 」 「 とんでもない 」 「 ほんと〜かしら? 近頃の若い娘は、平気だから 」 「 いや〜 そんなことはありません 」 「 そんなら早いこと、はんこをおしなよ 」 「 そんなぁ〜 」 「 次の週にうちのお店に二人でいらっしゃい そんなら信用してあげるから 」 「 は〜 」 「 すぐ裏に、おあつらえむきの宿が沢山あるじゃないのよ 」 「 なに〜言っているんですか、奥さん 」 「 はっはっはっ〜赤くなって〜 」 「 奥さんって人は〜 」 次の休みに二人で、手をつないでその店に入った。 「 も〜ルンルン気分ね〜 」 これで奥さんも信用したのだぁ〜 これも演技、つかれました。 後で彼女に 「 頼むから、これでチーフと別れてくれ 」 とやわらかく、説得。 家庭崩壊に繋がることは罪である、と。 あなたにはまだ将来がある、と。 なんで私がこんなこと言わなくてはならんのか、変だね〜 まぁ〜 この件は何とか納まったのだが、本当は奥さんはお見通しだったのだぁ〜 女はすごく、そして賢く、恐ろしい生き物である、と・・・ つづく |