次の休みの日に約束どおり、H子はやって来た。 「 やぁ〜 しばらく 」 「 皆さんもお元気そうで 」 少し、はにかんでいた。 ところが、そのときに日頃、H子さん、H子さんと呼んでいたが 姓を知らないことに気ずく。なんて浅はかなことか ! あの頃、白衣姿より知らない私としては、随分、大人の娘に なったなぁ〜と。そして綺麗になっていた。 少し小柄だが、はきはきと返答し、気持ちがいい。 実は、私は電話の声より知らなかったのである。 店のオーダーと在庫の連絡でのやり取り、直接話したのは、 きょうが初めてであった。 「 おいおい、まるでお見合いしているみたいだね〜 」 とチ−フがからかう。 駅の近くの茶店に入り、自己紹介も済ませ、落ち着け、落ち着けと 自分に言い聞かせる。 いや〜なぜ、この娘を思い付いたのか、未だに分からない。 なんだかんだと話している内に、 「 今度、ウッちゃんが頼みがあるそうだから、こんど 二人で逢って相談しなさい 」 時間はとっくに一時間は過ぎていたかなぁ〜 楽しい時間とは過ぎる のが早いね〜 なんだか意気投合。 目黒の駅で別れ、チ−フが、 「 いい娘になったね〜 うん、うん 」 一人で納得している。 すかさず私が、 「 また〜悪い虫が〜 」 「 いやいや〜 もう〜こりごり〜だよ〜 」 と首を引っ込める。 「 うまくやれよ〜 」 「 はぁ〜 うまくね〜 」 「 まぁ〜 新宿で一杯付き合え 」 「 は〜い 」 チーフも私も今日は気分がいい〜 つづく |